危険!マルチタスクの弊害とシングルタスク「今ここ」に集中する方法
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今回はマルチタスクの害についてまとめました。
ちょうどマルチタスクについて調べている時に友達が
「最近2つのことを同時にしか出来なくなったんだよね!」
と話していました。
どうやらゲームを2つ同時にプレイすることに慣れてしまい、1つのことに集中できなくなった模様。
「1つのことに集中できない」ということはすなわち
「目の前のことに集中できていない」証拠であり、
「今を楽しんでいない」ということです。
実際にマルチタスクによって注意の散漫癖がついてしまった人は、楽しい状況にあってもそれを十分に楽しむことが出来なくなる、という研究があります。
現代社会はますます情報があふれて、マルチタスクじゃないと追いつかないような気にさせてくれます。
しかし、マルチタスクは害だらけです。
複数のことを同時にこなすのは快感を覚えるでしょうが、それよりも多くのものを失い可能性があることを知ってほしいと思います。
マルチタスクとは?
マルチタスクとは、イメージでは「複数のことを同時にこなす」ことで、そこから「有能」「頭がいい」と思われがちです。
しかし、実際マルチタスカー(マルチタスクしてる人)がやっていることはただの「タスクスイッチング」です。
つまりは作業を切り替えまくってるだけ。
考えてみれば人間に3本も4本も手は生えていないし、一人だけ脳を肥大化させて作業している人なんていません。
どうやったって作業を切り替えるほか、マルチタスクを実行することはできません。
マルチタスクの弊害
そしてここからがマルチタスクの弊害です。
先ほど「マルチタスカーはただ作業を切り替えて複数のことをこなしているだけ」と言いました。
では彼らはそれで集中できているのでしょうか?
答えはNo
マルチタスクをするほど、注意が分散され、集中力が衰えていきます。
では、複数のことを同時にこなす彼らは他の人たちよりも収入が多いのでしょうか?
答えはNo
集中力がなくなって作業をしているので結果に繋がらないのは明らかです。
また、マルチタスクは
「単純な作業×単純な作業」によって成り立ちます。
なのでマルチタスカーはマルチタスクがしたいがために単純な作業しかしたくなくなります。
僕の友人もこうなっている可能性があります。
「マルチタスクをやりたくなるの?」と疑問に思うかもしれませんが、人間は性質的に新しい刺激に注意を惹かれるので、一つの物事じゃ満足しないのです。
マルチタスクでは別々の刺激が同時に得られるため、ついやってしまいたくなるのです。
前頭葉が委縮する
マルチタスクでは前頭葉をそれぞれの作業が取り合うため、情報の記号化が阻害されます。
こうしたことを続けていると前頭葉が委縮してしまうのです。
ストレスがたまる
また、マルチタスクによってストレスもたまります。
マルチタスクを行っている人の脳をfMRIで測ったところ、コルチゾールというストレスホルモンが分泌されていたのです。
前頭葉が委縮し、ストレスまで溜まるマルチタスクをあなたはまだ続けますか?
マルチタスクをしない方法
嫌な作業は手順を分解する
やりたくない仕事ほど、そこから逃れるために別のことに手を出してしまいがちです。
そんな時はその仕事の手順を分解して、1つ1つにします。
手順を分解することで
- 手順が明確になり、ゴールが見えやすくなる
- やるべきことがわかると迷いがなくなる
というメリットがあります。
別のことをやりたくなったらメモに記入する
作業中、「あっ、あの人にメール返さないと」「別の仕事にも取り掛からなくちゃ!」と心に別のことをしたい気持ちがわいたら、メモにそのことを書いて忘れます。
メモにいったん書くことで気持ちが落ち着き、いったんはそのことは忘れられるので、もう一度目の前のことに集中できるようになります。
メモに書いたことは
- 1分でできるなら今すぐ
- 10分でできることならできるだけ早く
- 1時間かかることは明日に回す
という規則で空き時間に消化していきます。
シングルタスク度を測る
マルチタスクの対義語、シングルタスクを僕らは取り入れていかないといけないのですが、最初のうちはなかなか難しいでしょう。
そんな時は一日を振り返って全体を通してどれぐらいシングルタスクができたかを振り返ってみます。
メーターは1から5でも100でもいいですから、今日の自分はどれぐらいのシングルタクス度だったかを測って日記に書いてしまいましょう。
家事はマルチタスクか?
マルチタスクをの話をすると必ずと言っていいほど「○○はマルチタスクか?」という議論になり、大抵は「家事はマルチタスク?」という疑問が出てきます。
ここからは僕の解釈も入るので確実に正しいかはわかりませんが、「家事はマルチタスクか?」について答えていきます。
僕の答えは
家事はマルチタスクではない
です。
ここでは家事の中でも「料理」を例にとって解説していきます。
「料理」に限らず、家事全般にも当てはまりますし、そのほか「これはマルチタスク?」と思った時の参考にもなると思います。
「家事(料理)」という一つのタスク
料理とは、包丁で野菜や肉を切るなり、煮るなり焼くなりを複数の料理を作るなら同時に行います。
それはあたかも「マルチタスク」のように見えますが、違います。
これらの行為は「切る」「煮る」「焼く」をすべて統合した一つ抽象度が高い「料理」というタスクです。
そもそもタスクって「課題」であって「動作」ではありません。
一度に一個の動作しかない課題なんてほとんどありません。
字を書く時だって見ながら手を動かしているし、なんなら呼吸だって吸って、吐いて、2つのことをしています。
こうした事から料理は抽象度を一つ上げてみると1つのタスクに統合できるため、マルチタスクではないのです。
ここら辺の話は複数のタスクがぶつかり合った時の対処法、「ゴールコンクリフト」にも通ずる考え方だと思います。
「ゴールコンクリフト」に関してはまた別に記事で取り上げます。
そもそも問題になっているのは創造的な仕事の時のマルチタスク
「マルチタスクだめ!」と言っている話の内容のほとんどは「創造的な仕事をしている人」を対象に展開されています。
そうした人たちは1つの題材を何日もかけて検討する必要があり、締め切りまでに結果を出さなくてはいけません。
それを2つや3つもかかえて頭がいっぱいになっているから危険なのです。
しかし、家事に関しては一つ一つ終わらせれば一旦そこで終わります。
明日まで覚えておくことはほとんどなく、未完了のタスクがずっと頭に残ってしまうツァイガルニク効果も起こりません。
また、マルチタスクといえど、「音楽を聴きながら走る」みたいな慣れていて単純な作業であれば害を及ぼすことはありません。
料理だって慣れてくれば単純作業の繰り返しになるので、何の問題もなくなります。
料理の最中にマルチタスク状態になるとすれば、「料理しながらスマホゲーム」「料理しながら映画鑑賞」みたいな感じですかね。明かに料理と関係のないことをし始めればそれはマルチタスクでしょう。
また、料理の最中に「台所が汚い!掃除しなきゃ!」「アッ!三角キッチンにゴミがたまってる!かたずけなきゃ!」と別の作業に取り掛かり始めるのもダメでしょう。
「魚を切るときは魚にだけ集中」「煮るときは煮ることに集中」といったように、目の前のことに集中できていればそれでOKなのです。(もちろん「タイマーが鳴るまで」の条件下でも可)
まとめると
以上のことから、
- 複数のことをこなす作業も抽象度を上げれば一つのタスクになる
- 「料理」は様々な手順のある1つのタスクである
- 手順一つ一つに集中していればマルチタスクにはならない
とこから、家事はマルチタスクにならない、というのが僕の考えです。
以上のことがわかれば「多動力はマルチタスクでない」こともおわかりいただけると思います。