『僕たちがやりました 9巻』ネタバレ感想&考察!!!

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やっと最終巻読み終わりました。
『僕たちがやりました 9巻』。

読み終わってすぐほかの人たちがどう思ったのかネットで調べてみましたが、あまり熱く語ってる人はすくなかったですね。

僕たちがやりました(9) (ヤングマガジンコミックス)

僕たちがやりました(9) (ヤングマガジンコミックス)

 

 
すでに公式で作者たちは何も考えてないことが判明したので、

【インタビュー】金城宗幸×荒木光『僕たちがやりました』 先のことは何も考えてなかった!? 行き当たりばったりなノリで「僕たちがつくりました」!!  |  このマンガがすごい!WEB

考察とかするだけ無駄みたいな感じはあるでしょうが、誰も語らないのなら僕が語ろうと思います。
深く鋭い考察とかできないですが、とにかくダラダラ話していこうと思います。

 

9巻感想

青年に殺されたそうになったシーン、
いやぁ、見開きページ見たときは恐怖でしたよ。
トビオが10人目の人になり殺しのターゲットになるのですから。
このままの流れでいくとそのまま青年に殺されて
「過去の過ちは巡り巡って帰ってきます ジャンジャン」って終わり方が容易に想像できましたが、そうはいきませんでした。
 
だってこのタイプの終わり方は納得できないですよね。
あっけなさすぎるというか、そんな結論の出し方で良いの!?っていう。
結局「悪いことしちゃだめだよ」という使い古された教訓を伝える締め方は、この漫画にふさわしくないのでここでトビオが殺されなかったのは良かったと思います。
 

マル

読み終わって一番引っかかるのはマル。
不幸にならないどころか、マルチ商法で儲けてます。
特に事業が失敗しそうな雰囲気が漂ってるわけでもなしに。
伊佐美が「あんな奴幸せになれねえよ」と言ってますが、その後トビオに「お前も人の事言えない」と口論になるので、マルのその後にとって重要なセリフでな無いっぽいですね。
 
マルが罪の意識を感じてないのか?という疑問もあります。
そもそも事の発端はマルが矢波高に喧嘩を売った事なので、責任重大な役です。
作者的には「変なことは全てマルにさせよう」と決めているらしいので、マルの生命力はギャグ漫画側にあるのでしょう。
 
深く考察するとしたら、マルは罪の意識に苛まれたときにはお風呂場の時のように責任を四方八方になすりつけるでしょうね。
 
矢波高に悪口言った報復も
「だからといって暴力は良くない」とか、「聞かなかったフリすれば死ななくてすんだのに(矢波高組が)」と
言い訳して気を晴らすんじゃ無いでしょうか。
その後もキノコタトゥー彫られたりツバかけられたりと散々な目に合ってはいるので。
 
なにせ本人は常に被害者意識なので、他人の金で豪遊したりビジネスを始めたりできたのは不幸のお釣りぐらいに思ってるんじゃ無いでしょうか。
 
もしこれから不幸になるルートなら、10年後4人で集まったときに2人の結婚話をきいて嫉妬してたので、その後、嫉妬心を埋めるべくお金稼ぎに走りマネーゲームにハマって破産…
って事も考えられますが、全然作中と関係ない不幸だし面白くも無いので、なんとも幸せにも不幸にもならない微妙な立ち位置ですね
 
追記:よくよく考えれば「喰われる側」から「喰う側」に回れたのは4人の中で唯一マルだけですね。
この物語的には最初に「喰われる側」が「喰う側」を喰ってしまったところからストーリーが始まるので、
マルはマルチで恨みを買ったやばいにーちゃん(ラストに出てきたマルの客も頭悪そうなDQNだった)にボコボコにされてほしいです。(もちろんそれ以上でも可)

伊佐美

インパクトのあるクズ行為といえばお遍路参りぐらいでしょうか。
動機が不純でデタラメ吐きながら被害者宅を回りました。
しかし、4人の中で唯一被害者家族と向き合ったところから、
「他3人に比べて俺は被害者と向き合った」という理論で罪悪感に蓋をすることが可能です。
てか、とっくに心も下半身も立て直してますよね。
 
そもそも伊佐美も1回自殺に失敗してるので、その後はずっと吹っ切れてるんじゃ無いでしょうか。病院でのトビオみたいに。
時期が重なり今宵の妊娠が発覚したので、その後ずっと伊佐美は
「被害者への償い」<「自分の家族を大切にする事」という意識で動いてますね。
 
だからパイセンが殺されそうになって逃げたのも、
「刑務所で暮して出所するならまだしも、
分けわからんヤクザに殺されるのはゴメン」という理由からですね。
キチンと刑期を終えれば父になれる可能性はありますから。
 
結果として愛する人と結婚し、その父親とも和解し、子供も授かって仕事もある。
4人の中では一番幸せかもしれないですね。
 
また、伊佐美と比較するとトビオだって同じようにできたのはハズです。
一回自殺に失敗しているし、愛する人がいて、「蓮子を幸せにしろ」と人生のゴールは設定されていたハズです。
 
トビオは結局10年経って先輩から「生きてんねんからしゃあないやろ?」と言われるまで自分で結論出せてませんから、そこの違いですね。
 
トビオ
トビオは最後のページで「矢波高が爆発した時、何かが変わると期待していた」事が分かりました。
単行本だとわかりずらく、僕も後からネットで調べたのですが、連載時の担当コメントで
「何かが変わると期待して笑ったあの時」
とあるので、そういう事なんでしょう。
 
しかし、トビオの行動をみるに「何か」が変わっても、それを受け入れる器までは持っていなかったようで。
作者達が何も考えずに話を書いていたってのもありますが、トビオの行動はいきあたりばったりです。
それ故に周りで起こる色んなことに内情振り回されて、苦しむハメになるのです。
 
従来の漫画のセオリー的に、トビオが4人のなかで一番倫理観が強く、それ故に悩み葛藤するのなら分かります。
 
しかし、最後のページで人の死によって人生変えようと考えていた事がわかり、別段倫理観が強いわけではない事が判明しました。
 
高校生であることとそれまでの生活環境から、狭い視野で物を見ていた彼が、大事件に発展することで視野が広がり、もともと持っていた倫理観の方が強くなってしまった可用性もありますね。
 
僕としては蓮子がパパイヤ鈴木と結婚してるのがどうしても納得出来ないので、市橋の遺言もある通り、事件のことは吹っ切れて蓮子と結ばれて欲しかったなと思います。
トビオが死ぬ選択肢を早々に排除し、生きていくと決めていたなら蓮子と結婚し、共に罪悪感に蓋をすることが出来ていたのではと思うんですよね。
 
まぁ、このマンガは答えのないタイプの問題のようなものなので、結論によっては僕自身の倫理観が疑われてしまいます。
今回は「蓮子が幸せになる」ルートがあるのなら、トビオは伊佐美やマルのように吹っ切れて人生のゴールを作ってしまてば良かったのにと思うわけです。
 
トビオのその後ですが、ありえる未来はすべて作中でやってしまってますね。
  • 自首する→意味ない
  • 意味のない殺人に巻き込まれる→殺されない
  • 自殺する→失敗するor先延ばし
ほかの人が描いた感想に「表紙が老けたトビオが笑ってるからその後も死んでない」とあったので、僕も何となく死にはしないんじゃないかなと思います。
でも奥さんと全く分かり合えていない感じ、先が思いやられる感じもしますが・・・

パイセン

パイセンに関しては語る事ほとんどないかな・・・
他3人と次元が違うし、キチンと刑期を終えて生きる道を選んで行動しています。
お笑いの道で食っていけるかわかりませんが、若い頃のように元の健康そうな体型に戻ってほしいですね。

その他+実写化

個人的に市橋と一緒にいた金髪ヤンキーの行方が気になってました。
死んだもないし、その後登場もしないので、「マルのように中心にいながら被害を受けないタイプに人かな?」と思ってましたが、
9巻でガッツリ後遺症がある状態で登場しましたね。
忘れたころに出てきて事件の事を思い出させるある意味重要な役でした。

 

夏からはドラマ化ということで、僕的には演技はどうでもいいので配役を似せて欲しいですね。
パイセンがレーザーラモンHGっていう意見は良いと思いますw

ファンタのCM見てあの刑事と菅田将暉が似てる気がしたのですがどうでしょう。


菅田将暉、ノリノリの大学生に “イケメンの無駄遣い”指摘に照れ 新TVCM『ファンタ みんなのキャラボトル』篇

あるいは綾野剛とか。ドラマの予算的に出せるかはわかりませんが・・・

今宵の父親に「梅宮辰夫」さん、
トビオを殺そうとした青年を「ゆうたろう」さんにやってほしいですよね。

ゆうたろうさんはTwitterで『僕たちがやりました』について触れています。

 どんなキャラで漫画に出てたか知られるのが怖いですね・・・

 

ニュースキャスターに宮根さん、コメンテーターに尾木ママもいましたが、あそこらへんはあまりに悪意がありありなので出演されても困りますね(笑

まとめ

作者たちが何も考えてないと言っているのにもかかわらず、考察のしがいがあるのは奇跡でしょうか。
トビオの気持ちになって読み進めると、心拍数が上がって読み終えてもしばらく落ち着かないですよねw
「生きた心地がしない」感覚が味わえる、すばらしい漫画ですw

 

多分この感覚で読んだ人は「昔、自分も一歩間違えばああなったかもしれない」という思いもあると思います。
僕も中学の頃結構やばくて、そもそも学校全体としてみんな病んでいたので、下手したら人死んでた(殺してた)かもと思い返すとこの漫画、他人事じゃなくなるんですね。
先生殺すためにナイフ持っていた友達も言ったっけ?
パイセンみたいなお金持ちが周りにいなくて良かったと思います(笑
そういう意味で中学生にぜひ読んで欲しい作品でもあります。

 

僕は自ら進んでこういったジャンルを読むわけではないのですが、一度読むと入り込むようですw
『聲の形』もそうだったのですが、1番の被害者がしゃべれない中で周りが好き勝手言いたい放題する漫画って面白いですよね。
こういう作品は「登場人物全員クズ」という言葉で締められがちですが、若い人たちって大抵こんなもんだと僕は思いますね。
だからといって大人になればよくなるのかというとそうでもなく、ただ仕事に追われてそういた面が見えなくなるだけだと思います。
性悪説を唱えたいわけじゃないですが、よほど精神的豊かさを求める人でない限りは困難に上手く対応できないもんです。
ちょっと難しい話ですが、マンガだろうとリアルだろうと、クズ行為は性悪というよりその人の未熟さの表れだと思えばいいのではないでしょうか。
近頃だとはじめしゃちょーとか。若いうちは恋愛のいざこざなんてあって当然なんですからもっと周りは寛容になれよよ思いますもん。

ということで、『僕たちがやりました』
作者たちがその場のノリで描いたとは思えない、すばらしい作品で、「生きた心地がしない感覚」が味わえる漫画です。
そして「生きるってなに?」「罪とは?」「償いとは?」について、ぼんやりとでも考えさせ作品でもありますね。

 

僕一人の力ではまだ存分に語れないので、もっと『僕たちがやりました』ファンが増えていろんな意見を聞きたいですね。

ではでは~

 

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僕たちがやりました(3) (ヤングマガジンコミックス)

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